病室 イビキバトル
病室は僕の他に4人いて、
この4人のうち3人がいびき。
感動すら覚えるいびきの合唱、
宇宙人同士の交信か
怪獣同士の戦いのようだ。
誰が誰のいびきで起きるのか。
ときにうめき声、ときにオナラを盛大にかます!
今夜のバトルを実況するのは私、スネを切開中のスネ夫こと比嘉周作です。
おおっと?
今夜は真ん中近くのベッドに寝てる"おじいちゃん"が現在一位を走っておりますが、
ここでうめき声もあげてややリード、
といったところです。
全体的なイビキ音にプラスして様々なテクニックが入るところに老練さを感じます。
その隣のイビキはややパワー不足ですが、
安定して一晩中 イビキ音を出し続けるさまはマラソンスタイルか?
まさにイビキ界のセコ。
そして強烈なルーキーがやってきております!!!!
車にひかれての入院で夕方から大声の電話でアピールしているおじさんです。
突然の爆音イビキは、調子をあげる一方です。
寝ながらも電話をにぎりしめてるのかぁ!?
おじいちゃん、セコ、電話、
このような三つどもえの戦いは朝になるまでわかりません。
おぉっと!?
きました!!!
これはセコ選手かぁ!?
オナラをかましてきました。
足りないイビキ音をオナラでカバーしております。
しかし、夕方からのアピールでそのパワーは実証済みの電話がこともなげに自らのイビキで臭いすらも吹き飛ばしそうな勢いです。
放送席にも近く、電話のイビキが王座奪取かぁ?
そもそも今夜は皇帝がいません。
止まらないイビキ、
呼吸一回につき、ぐぁ!とかイェ!とかなんか言う、
ときどき、くわんごふしゃーん(たぶん看護婦さん)と呼ぶ
ソウルイビキ、
通称 ジェームズブラウン。
放送席から最も離れているにも関わらず絶大な存在感。
そもそも放送席
隣のベッドはもともと誰かいたのですが、
その方は昨日から個室に切り替えました!
皇帝ジェームズブラウンは無敵!
私はそばを車椅子で通るたびに挨拶しておりますが、毎回おごそかにうずき返してくれます。
ところが連日にぎやかだった
皇帝ジェームズブラウンは夕方からパッタリ姿を消しております。
唯一の弱点は孫で、孫に散々叱られておりますが、何かあったのでしょうか?
勝負は非情なもので
皇帝不在をぬって
放送席隣に電話がやってきており
今夜のオールナイトバトルとなっているわけであります!!!
さぁ、この間にも
きたぞー!!!!
暫定一位のおじいちゃん、
痰を吐く!!!
がっつりといっております。
これはでかい音ダァーーー!!!!
サイドベッドではセコが乱れることなくイビキで
その背中を狙っております。
まだまだ先が読めない戦い、
ここでいったんCMにはいります。